2017年5月17日水曜日

ハンカチの想い出

大手アパレル企業に入ったとき、驚いたことはいろいろあるのですが、
中でもそこの女子社員のすべてのふるまいには、
今でも忘れられないものが多々あります。

まず、会社に着いたら、履いてきた靴を、ミュールなんて素敵なものではなく、
「つっかけ」に履き替え、
前髪を美容院で使うような長いヘアクリップでとめ、
始業のベルが鳴ってから自席で化粧直し、
といった具合に、その会社に持ち込むアットホームな感じ。

そして私が最も、美しくないと思ったのが、
ハンカチにまつわることです。

なぜだか知りませんが、
彼女らはトイレにハンカチを持参することはなく、
手を洗った後、棚に置いてあるトイレットペーパーを
くるくるっと手に巻いて、ちぎって、それで手を拭いて、
ごみ箱にぽいっと捨てる、
ということを繰り返していました。
手を拭くようのペーパーならまだしも、
トイレットペーパーを手にぐるぐる巻きにして、
ぽいぽい捨てるその動作が、私にはたいそうおぞましく見えて、
ああいうことだけは決してやるまいと
心に誓ったのでした。
(この時期、心に誓ったことはたくさんあります)

それ以来、ハンカチは必ず何枚かはクローゼットに入れてあったのですが、
ハンカチって、なかなかくたびれないのですよね。
私が持っている枚数が多めだったせいもあり、
20代のときにハンカチの図柄を描く会社に勤めていた友達からもらったものなんかも
まだ残っていたのでした。

それらを見ていたら、
急に、ハンカチを総とっかえしたくなり、
無地の麻のハンカチを何枚か注文しました。

よく服がある日、似合わなくなると言いますけれども、
私の場合、このハンカチたちは今の気分に合わない、と思ったのでした。

この気分に合わないずれを放っておくと、
ずれずれのものばかりが身の回りにふえてしまうので、
注意が必要です。
ハンカチなんか、大した値段じゃないから、
もっと早く取り変えればよかったのに、
なぜか伸ばしのばしになっていたのですけれども、
なんだか急に全部、今の気分じゃないと思ったのでした。

さて、あのトイレットペーパーぐるぐる巻きの女性たち、
今ごろどこで何をしているでしょうか?
さっぱり見当もつきません。
風のうわささえ、聞こえてきません。
きっとどこかで素敵な生活を送っていることでしょうね!



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